幕末浪漫第二幕
月華の剣士
〜月に咲く華、散りゆく花〜
MVS:134400円、ネオジオ:33600円、ネオジオCD:7140円
DC:通常版6090円廉価版2499円、PS2版(月華1とセット):3990円、PS2ベスト版:2079円

 武器格闘ゲーム「月華の剣士」第二弾。
 前作の基本システムを引き継いでいるが、あくまでも基本で操作感覚などが変わっている部分がある。
 中でもキャラクターの技は、一見増減無しに感じるが、大幅に変わっていたりする。
 システム、設定、ストーリー共に、前作の良かった点を引き継いだ出来となっており、発売から数年経った現在でも人気が高い。

 前作から変更&追加のあった基本システムは下記の通り。

弾きがDボタンのみに変更
 前作ではレバーとの組み合わせだったが、今作ではボタンのみで発生するようになった。
 発生直後のみ必殺技を弾き、その後の動作中は通常技のみ弾くという性能に変化し、立ち・しゃがみ・ジャンプ中に出せるようになった。また、ガードキャンセル弾きも存在する。

素手状態の削除
 前作であった、ガード耐久値がなくなると武器を落すという状態が削除された。

乱舞奥義がまったく別の存在に変化
 前作ではいわゆる「オリジナルコンボ」だった乱舞奥義だが、今作ではいわゆる「デッドリーレイブ」に変化した(むしろ「アンリミテッドデザイア」や「サムライコンビネーションシステム」の方が近いがマイナーなので……)。
 下二回とAで中段、Bで下段の始動技が発生し、相手に向かって走り出す。
 相手に到達してから決められた順番でボタンを押すことにより、ガードされていても乱舞が続く。途中で4パターンのルートに変化し、ルートによってフィニッシュが変化する。
 決められた順番もキャラによって違うため、この後に控える技表に併記しておいたので参照して欲しい。

BC同時押し攻撃の変化
 前作ではB+Cで中段攻撃が発生したが、今作ではそれが削除され、剣質ごとに違う動作となっている。
 「力」でB+Cで、ガード不能の高威力攻撃が発生。
 「技」でB+Cで、相手を打ち上げる攻撃が発生。

通常投げのコマンド変更
 単純なのだが、前作では方向レバー+Bだったのが、今作ではC+Dとなった。

ダウン回避&空中受け身の追加
 むしろ前作で無かったことに驚くのだが、今作ではDボタン一つでダウン回避が出来るようになった。また、空中でも受け身が取れるようになっている。

ダッシュ攻撃の追加
 ダッシュ中にAorBor↓+Aor↓+Bでダッシュ攻撃が発生するようになった。

隠し剣質「極」の追加
 剣質選択時にコマンドを入力することにより、力と技の性質を併せ持った「極」が選択できる。
 「極」の特徴は、
  ・キャンセル可能な基本技が多く、攻撃力が高い
  ・乱舞奥義、潜在奥義が使用可能
  ・昇華が使用可能
  ・連殺斬が使用可能
  ・通常技に削りダメージが発生
  ・B+C同時押しで打ち上げ攻撃
  ・防御力が極端に低下する
  ・剣質ゲージが極端に溜まりにくくなる
 といったもので、一見強そうだが、使いこなす腕が伴わないとまったく勝てない事もあるデメリット付き。

 これらの変化で特に目を引くのは弾きの変化と乱舞奥義の変化だろう。
 前作の乱舞奥義では、キャラクターの通常技の特性を理解したうえで乱舞を組み立てる必要があり、好不評がハッキリと分かれた。筆者はオリコン形式が嫌いなので不評の側だったのだが、今回は決められたルートが存在するため、使っていて面白いと感じるようになった。
 4ルートあるため、ガードされた場合でも上段下段で相手との読み合いとなる。フルセット決めた場合には、剣質「力」の潜在奥義に匹敵するダメージが叩き出せるのも魅力的。
 弾きの変化もボタンだけという簡略化がなされたため、手軽に、また瞬時に行えるようになった。

 
キャラクターについて。
 紫鏡と武蔵が削除された他は消えたキャラはいない。紫鏡にしても、名前が変わっただけで骸として参加しているので、実質は武蔵だけ消えた事になる(NGCD以降の家庭版ではちゃっかり登場しているが)。
 前作のエンディングで四神・青龍を継いだ楓は常に覚醒状態となっており、隠しキャラで覚醒前の楓も使えるようになっている。
 完全な新キャラは新撰組の真田小次郎、居合い抜きの高嶺響、常世の使者刹那の三人。前作のラスボス、嘉神真之介も性能が変化して使用可能になっている。

 
家庭版について。
 ネオジオ版はいつもどおりの完全移植に加えて、ラスボスの黄龍が使用可能。
 ネオジオCD版は更に前作の中ボス暁武蔵がVSモードのみ使用可能。
 DC版は「Final edition」という名前になっており、説明書から本編まで拘った出来に仕上がっている。超奥義や潜在奥義もLとRの1ボタンで発動させる事ができるので、初心者でも昇華などをしやすくなっている。NGCD版の隠しキャラも使用可能で、クリアすることにより全絵柄書き下ろしの花札モードが遊べるようになる。
 また、ブロードバンドによるネット対戦に対応したPS2版が発表されている。発売日は未定だが、月華1と2のセットだそうだ。ただし、PS版月華1やDC版月華2Finalのような隠し要素が入っているのか、それともMSV版をそのまま移植するのかは不明。

ストーリー(導入)

 地獄門は嘉神真之介が身を投げた事により閉じられるかと思われた。しかし地獄門は在り続け、嘉神も何故か死ぬことが出来ずに現世に在った。
 それより半年、四神の新たな長となった青龍、楓。憎しみから解き放たれた白虎、直衛示源。最長老である玄武の翁。そして運命を受け入れ、再び人の世を見守る事に決めた朱雀、嘉神真之介ら、四神は地獄門を封印する方法を模索していた。
 古い文献を調べるうちに、「封印の儀」とそれに必要な「封印の巫女」の存在が明らかとなる。
 四神達が封印の巫女を捜し始めたのと時を同じくして、地獄門より純粋な悪、「常世の使者」が出現する。そして、もう一つ、懐かしくも邪悪な気が地獄門から生じた。
 嫌な予感を抱きながら、剣士達は再び地獄門へと向かう……

システム

--共通--
ダッシュ:
ダッシュジャンプ:ダッシュ中に
ダッシュ小ジャンプ:ダッシュ中に短く
バックステップ:
ジャンプ:
小ジャンプ:短く
弱斬り:A
強斬り:B
蹴り:C
弾き:D

リーチの短い弱斬り:+A
リーチの長い強斬り:+B
吹き飛ばし蹴り:+C
転ばせ蹴り:+C
投げ:C+D
ダッシュ攻撃・上段:ダッシュ中AorB
ダッシュ攻撃・下段:ダッシュ中+Aor+B
ダウン攻撃:相手ダウン時に+B(例外あり)
ダウン回避:吹っ飛び中にD(空中可)

上段弾き:D
下段弾き:しゃがみ中にD
空中弾き:ジャンプ中にD
ガードキャンセル弾き:
 相手の攻撃をガード中に+D(ゲージ消費)
移動起きあがり:ダウン中にor
挑発:スタートボタン
超奥義:
 体力点滅or剣質ゲージMAX時に固有コマンド

--剣質「力」--
防御不可斬り:B+C
潜在奥義:
 体力点滅&剣質ゲージMAX時に固有コマンド

--剣質「技」--
打ち上げ斬り:B+C
乱舞奥義:剣質ゲージMAX時に+AorB
キャラクター
(全16人+隠し3人+家庭版2人。名前クリックで技表へ)
楓(覚醒前)
御名方守矢
玄武の翁
一条あかり 神崎十三
直衛示源 鷲塚慶一カ
真田小次郎 高嶺響
斬鉄 天野漂
李烈火 嘉神慎之介
刹那 直衛虎徹(戦闘は示源)
はぐれ人形 暁武蔵
(家庭版のみ)
黄龍
(家庭版のみ)
隠し要素、裏技等

アーケード版
剣質「極」の使用:
 剣質選択画面で、技に合わせてCを6回、力に合わせてBを3回、技に合わせてCを4回、4秒以内に入力する。覚え方は「ムサシ(6,3,4)」

タイムアタックモード:

 ABC同時押しをしながらゲームを始める。

隠しエンディング:
 響使用時に、6回以上切断フィニッシュを決めてクリアする(勝ちポーズとセリフが次第に変化していく)。
 烈火使用時に、乱入・コンティニューを無しでクリアする。

楓(覚醒前)の使用:
 楓にカーソルを合わせて、Cを9回、Bを1回、Cを4回、4秒以内に入力する。覚え方は、「9月14日(楓の誕生日)」

はぐれ人形の使用:
 あかりにカーソルを合わせて、Cを8回、Bを9回、1秒待ってからCを1回押して決定。覚え方は「はぐれ人(8,9,0,1)」
 はぐれ人形は、対戦相手に化けるため、固有の技やエンディングなどはない。なお、アーケード版でも最終ステージまで進むとはぐれ人形が黄龍に化けるため、ゲーセンで黄龍を使いたい場合は人形を使うしかない。

直衛虎徹の使用:
 示源にカーソルを合わせて、Cを5回、Bを10回、Cを2回、4秒以内に入力。覚え方は、「こてつ(5,10,2)」
 ただし、虎徹は1試合目の開始直前に示源に取って代わられるため、実質的には使用できない。ただのちょっとした遊び要素である。

必殺技の隠し演出:
 あかりの劾鬼・清姫、十三のハッパ、は16分の1の確率でグラフィックが変化し、性能やボイスまで変わってしまう。
 玄武の翁の亀筮は、256分の1の確率で玄武が出てくる。

家庭用全機種共通
黄龍の使用:
 楓にカーソルを合わせて、Cを10回、Bを5回、Cを4回、4秒以内に入力する。覚え方は「常世(10,5,4)」

DC版
花札モードの出現:
 ストーリーモードをクリアすれば出現。こいこいが遊べるようになる。対戦こそ出来ないが、結構はまってしまう。

ストーリー(完結)

 地獄門より生じた懐かしくも邪悪な気の主、それは死んだはずの慨世であった。
 数年前、地獄門から流れ込む負の意志によって、人類を滅ぼそうと暴走した嘉神真之介によって殺された四神の長、青龍の慨世。彼は死して常世へ逝き、そこで常世の側から地獄門を封印する中央の四神、黄龍となったのだった。
 しかし黄龍も数年前の嘉神と同じく、常世の負の思念に支配されて我を失っていた。
 楓らによって倒された黄龍は、慨世としての意識を取り戻す。慨世は思念に支配されながらも、心残りだった子供達の成長を見れると心おどった自らの未熟を恥じる。再び慨世が思念に支配される前に「封印の儀」を執り行うという段になって初めて、楓は封印の巫女が姉、雪その人であったと知る。
 四神と封印の巫女によって地獄門は閉じられたが、その代償はあまりにも大きかった。
 封印の儀は、封印の巫女の命を必要としたのだった……。
 地獄門が封印された後には、雪、慨世、そして示源の亡骸だけが残った。示源は隠れて着いてきていた養女、虎徹を封印による力の奔流から、庇い、命を落したのだった。
 虎徹は嘉神に諭され、新たな白虎となって四神の一員に加わった。また時は流れ、新たな時代へと移ろう中で人は地獄門や四神の戦いを忘れていくだろう。だが、彼らは今でも人の世を見守っている……。
       ――幕末浪漫第二幕、完

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