はじめに サムライスピリッツ零は、2003年に(株)悠紀エンタープライズが(株)SNKプレイモアの許諾を受けて制作した作品である。 大勢の不安をはねのけて登場したサム零は、ファンの作品ごとの好き嫌いが激しいサムスピシリーズにあって、かなりの支持を集めた。 無論ゲーム性と「サムスピらしさ」が支持の大多数だったが、理由の一つに「お座なりではない、ちゃんとしたストーリー」というものもあったのは確かだ。(ただし、設定の強引な変更などから、零のストーリーは絶対に受け入れられないという人も多い。その辺りについては、最後の考察で述べるので、基本的な考察ではあえて触れない事とする。) 零の時系列はサムスピシリーズの中で一番古い時代にあたり、大多数のキャラがそれを考慮したうえで、しっかりとしたストーリーを与えられた。各キャラの物語は他のキャラとも複雑にリンクしており、キャラAでクリアしても語られなかったその後の展開が、キャラBをプレイする事によって補完されるというものが多々ある。 ここでは、その複雑に絡む各キャラのストーリーを時間軸に合わせて紹介していく。 キャラのセリフはPS2版サム零をビデオに録画したものを一字ずつ確認し、動作や演出の描写はあえて小説調ではなく、あまり主観を交えないト書調で書いていく。なお、作中ではふきだしの中に収まる文字数が決まっているため、あえて句読点を打っていないと思われる箇所が多々ある。今回は勝手に句読点を追加せず、原文ままの箇所に打っているので、読みにくい箇所があるかも知れない。句読点を打たないとWebでは読みにく過ぎると判断した箇所のみ、半角スペースで句読点の変わりにしている。なお「!?」等は「!?」と纏めている。そのような感嘆符や疑問符の後に文字が続く場合、作中ではそのまま次の文字が来るが、この項目では全角スペースを挿入している。その他は表記揺れもあるが、大抵は原文ままなので修正はしていない。 また、当サイトでは一貫して解像度800x600の方でも快適に見れるように、縦幅と同時に横幅にも気を付けてきたが、この項目では同時間軸に起きる事が多いため、僅かではあるが幅800を越えるページを作ることになってしまった。ご理解頂きたい。なお考察中に出てくる地名は、作中で使われているステージの名前をそのままあてているだけなので、設定上は違う場所で物語展開されている事が多い。 |
設定と物語の導入 今作の登場キャラは全部で28人。まずは舞台の説明、続いてキャラの紹介をしよう。 公式サイトの物語紹介を見て欲しいと言いたいところなのだが、画像に毛筆のようなフォントで書かれているため、雰囲気はあるけど読みづらい。ので、ここで引用してからかみ砕く。 ---引用開始-- 漆黒よりなお黒く、虚無の果てなる深き闇。 その渦中。 禍禍しき念が胎動を始めた。 刻まれし鼓動は、眼に映らぬ、手で触れられぬ、波となりて闇を漂い、彷徨いの果てに日本へと辿り着く…… 時に一七八六年 後の世に言う天明の大飢饉。 その痕跡は今なお癒えることなく、餓えた地に治まりの兆しは差さず。 各地においては、一揆や打ち壊しが後を絶たず、荒廃の一途に拍車をかける。 人々は未曾有の災厄に苛まれ、今日か明日か、いつ尽きるとも知れぬ露命を繋ぐ。 幕府の対応は一向に功を奏さず、 累々たる死屍に埋め尽くされ、死に逝く國を前に その武将は天に吼える。 「うぬにも聴こえるであろう、國の慟哭が…… 國に仇為す徳川の愚物共……うぬらの愚行、決して罷り成らぬ! 決起の刻は来たり! 我、救国の徒となりて、國族徳川、うぬら全て灰燼に帰してくれようぞ!」 覇を唱えし武将、その名は 兇國 日輪守 我旺 「ますらおよ! 忠國の魂を抱きし、真のますらおよ! 北は蝦夷、南は琉球より、我の元へ集えぃ! 我にその魂を示せ!!」 その覇気の所為か、はたまた偶然であろうか―― 己が魂を刃に託し、己が身を武に捧げし弐拾四の兵どもが、刻同じくして争いの渦中にその身を投ずる。 極め逝くその先は 武士道か、あるいは、修羅道か。 --引用終了-- 舞台となるのは初代サムスピの2年前、1786年の日本。 天明の大飢饉で国力は落ち、弱者は次々に死んで逝く。日輪国(ひのわのくに)領主である兇國日輪守我旺(きょうごくひのわのかみがおう)は、民草を死なせるだけでろくな対策も出来ない幕府に憤り、ついには謀叛を決める。 幕府への怒りと激しい愛国心が一致した結果だが、彼は狂気を孕み、魔界の者に目を付けられてしまう。 闇キ皇(くらきすめらぎ)、「人魔一体の法」を持ち、人間の精神と身体を乗っ取る事ができる。千年前、大陸の仙人に取り付き悪行を振る舞った結果、仙人の弟子達に封印されてしまった。それが今、我旺を利用して復活しようとしているのだ。 我旺は謀叛の用意を進め、各地から益荒男(ますらお)を集めていた。剣士達はそれぞれの思惑を胸に日輪国へ向かう。 公式サイトは是非チェックして欲しいが、下のキャラ名からまだ考察が完成していない各キャラのプロフィールと物語のページに飛べるようにしている。一応、見ずともわかるように書こうと心がけているが、せめてキャラ画像と物語だけでも目を通してくれた方がありがたい。なお、旧作との違いと書いてある場合は設定面での違いである。
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ストーリー&エンディング考察 さて、いよいよ本題です。ここから各ページに分岐します。 各項目の下に進行具合を併記しています。
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